自然薯の栽培方法

自然薯栽培のポイント

野生の自然薯は、北は東北から南は九州まで、どこの雑木林やその周辺でも広く自生しています。そのため栽培に適する気候や地域はかなり広いと言われます。野生の自然薯は傾斜のある水はけの良いところに多く自生しており、雨水や湧き水が溜まるようなところに自生することはありません。また、一日中日が当たるような乾燥したところにも自生していません。よって家庭で栽培するときは、このような環境にできるだけ近くした状態で栽培することがポイントになります。

クレバーパイプを用いた栽培方法では、適度な保水性と通気性のあるほ場(網室)が適しており、こうした条件が吸収根の生育環境として重要になります。ただ、この栽培方法では赤土を入れた栽培容器を用いるため、ほ場の下は砂地や粘土でも構いません。

ここのホームページのようにペットボトルで栽培する場合は、以上の内容を参考にして、黒土に保水性を、赤土に通気性を期待して半々に混ぜたものをペットボトルに詰め込んでいます。最初の頃はペットボトルの底に4ヵ所だけドライバーで穴を空けていましたが、最近は通気性を良くするため横の部分にも数ヵ所穴を空けています。


自然薯栽培では夏場の高温と乾燥に注意が必要です!茎や葉は高温に強く、30℃を超えるような日が続いても水遣りさえしっかりしていれば枯れることはありません(ほ場では土壌の水分が確保されていれば問題ありません)。しかし、吸収根は地温が25℃を超えるようになると生長が止まり、養分や水分の吸収が悪くなります。そのため夏場は地温が上がらないような工夫が必要です。

我が家ではペットボトルの部分は朝日以外は当たらないようにベランダの壁で隠れるようにしていますが、夏場は平気で気温が30℃を超えてくるので何らかの対策が必要かもしれません...


自然薯の収穫は、茎葉の枯れ上がった11月下旬から3月までに行います。茎葉が十分に枯れ上がらないうちに収穫してしまうとアクが強く残ってしまい、すり下ろしたときの変色の原因になります。また、イモの水分が高くて粘りが落ちる原因にもなります。収穫を早めたい場合は、地温を早く下げれば土が乾燥しイモの充実が早まります。長期間貯蔵する場合は、収穫を遅くし、イモの水分を十分に低下させてから充実が進むのを待ちます。収穫後は、半日ほど日に干し、イモの表皮を傷つけないように気を付けながら土を落とします。