自然薯の各部名称

自然薯の各部名称

【 イモ 】

自然薯のイモは、サツマイモのように根が肥大したものではなく、茎が肥大したもので、植物学的には塊茎と言われます。イモは毎年少しずつ大きくなっていくのではなく、一年ごとに新しいイモへと更新されていきます。つまり種イモを栄養源として新たなイモがより大きく生長していくわけです。イモの長さは品種によって異なりますが、50〜150cmほどになります。

【  】

茎はツル性で栽培にはツルの誘導が必要になります。ツルは15mくらいになることもあり、右巻きで伸びていきます。一般的に太さは3mmほどですが、太いものは主枝が強く側枝を伸ばしません。逆に細いものは側枝の発生が多くなります。

【  】

基本的にハート型をしています。肩が張って短かったり、細かったりと、品種によって違いがありますが、ナガイモのように幅広でくびれがあったり、イチョウイモのようにスペード型ではないので見分けやすいと思います。産地によってくびれ具合が微妙に違い、関東地方ではややくびれが強く、九州地方ではほとんどくびれがありません。

【 ムカゴ 】

秋になると葉腋にたくさん着生します。これは腋芽が変化したものでイモと同じ貯蔵器官のため食べることができます。長さは大きいもので15mmほどあり、重さは1gくらいになることもあります。

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茎の下端から太い根が10本弱地表付近を広がるように伸びていきます(吸収根)。この根は養分や水分の吸収をし、イモから生ずるひげ根は養分の吸収はほとんどせず、多少水分を吸収しているようです。

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自然薯は雌雄異株でイモの形や葉の形で見分けることができません。そのため、雌花は花房が垂れ下がり、雄花は上向きに形成されるという特長を生かし見分けることになります。花は7月中旬から8月中旬に開花し、小さな花が房状に着生します。受精すると種子が形成され「ガラガラ」と呼ばれる果実ができます。

このガラガラの中には6個の種子があり、風に飛ばされて地面に落ちると越冬して春に芽を出します。この芽が生長し一年で数gのイモになると、翌年にはこれが種イモとなりさらに大きなイモに更新されます。