自然薯の病害虫

害虫

【 アブラムシ 】

葉の裏や柔らかい茎に寄生し汁を吸います。アブラムシの被害により草勢が低下することはありませんが、ウイルス病を媒介するため注意が必要です。

【 コガネムシ 】

幼虫が容器内に入り込みイモを食します。有機質肥料の乱用により被害を受けやすくなり、その被害はイモの表面が黒くなったり、凸凹になったりします。成虫は葉を食してしまい、草勢が低下します。

【 ネコブセンチュウ 】

体長1mm程度の害虫で、イモの表皮組織に入り込みコブを作ります。栽培容器周辺の土から容器口部より入り込むためイモの首部にコブができることが多いです。連作や排水不良によりセンチュウの密度が高まり被害が増大します。

【 ハダニ 】

葉の裏に寄生し汁を吸うことにより草勢を低下させます。梅雨明け後の乾燥する時期に発生しやすくなります。被害の初期段階では葉の表面に小さな白い斑模様が現れますが、次第に黄色く変化し落葉します。ハダニは肉眼では確認しにくいため被害が拡がってから気付くこともあるため、日頃から葉の裏などをよく観察するようにします。

【 ヤマノイモコガ 】

5〜6月にツルの先端が黒褐色になって枯れてきます。この部分をよく観察すると、幼葉と新芽が網目状に食されており、体長5mm程の白い幼虫がみられることがあります。7月以降は葉の裏に寄生して葉肉を食するので葉が白く透けてみえます。成虫は体長4mm程の小さな暗褐色の蛾で、ツルを揺すると飛び出してくることがあります。

【 ヤマノイモハムシ 】

成虫が6〜7月ごろに飛来し、ツルの先端の柔らかい部分を食します。しかも6月頃のもっともツルが生長する時期に食してしまうためツルの生育が遅れます。成虫は体長6mm程で、頭部が赤く、体は赤藍色の虫です。幼虫は8〜9月に葉の裏に寄生しますが被害はさほどありません。

病気

【 ウイルス病 】

自然薯に感染するウイルスはヤマノイモモザイクウイルスで、これに感染すると葉に濃緑色と淡緑色のモザイク模様が現れます。症状がひどくなると、葉が縮れたり、ツルの伸びが悪くなります。また、秋の枯れ上がりも早くなり、イモの肥大が悪くなります。

対策は、ウイルス病に罹っていない種イモに更新するしかありません。ウイルスはアブラムシにより伝染するので、ほ場ではネットを張って飛来を防止したり、定期的な駆除を心がけます。

【 炭そ病 】

梅雨から8月中旬の肥大期に発症し、症状は茎や葉に現れます。葉は表面に褐色の小さな斑点ができ、これが拡大して黒褐色の大きな斑点になっていきます。茎には褐色の病斑ができ、黒褐色に変わっていきます。茎の表面から病気が進行すると急速に枯れ上がります。

対策は、茎葉が生い茂ったら定期的に予防散布を行います。豪雨の後は茎や葉に付いた泥ハネを洗い流すようにします。また、肥料切れによる草勢の低下によっても発病するので気を付けます。